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求職者インタビューから見えてきた採用担当者が意識すべきこと

株式会社マイナビが実施した「アルバイト就業者調査(2023年)」のデータの一部と、10代〜60代の求職者(男女8名)に行ったインタビュー内容をご紹介します。
データと実際の求職者の声をあわせてご確認いただき、ぜひ採用活動にお役立てください。

目次

アルバイトに求める条件と就業実態(年代別
年代別ユーザーインタビュー【求職者の本音】
・大学生① 求人原稿に書いている条件が実際の条件と違うのは困る
・大学生② 面接結果が出るまでが不安。1週間がデッドライン
・フリーター① アルバイト先の決め手はスピード。連絡が遅いと選考に進まない
・フリーター② アルバイト先の決め手は楽しそうだと思ったから
・主婦② 子どものことを考えると「距離と時間」が大事
・主婦② 子どもが学校に行っている期間はシフトの融通さが大事
・ミドルシニア① 生活のためではなく社会参加のためのアルバイト
・ミドルシニア② 年齢ではなく本人のやる気や経験を見て判断してほしい
まとめ

アルバイトに求める条件と就業実態(年代別)

アルバイトに求める必須条件

アルバイトに求める必須条件として全世代で上位に挙げられたのは「シフトの融通がきく」51.8%、次いで「自宅から近い」が51.5%でした。60代・70代では「年齢に関係なく活躍できる」も重要視されており、年代によって必須条件が異なることが分かります。


※株式会社マイナビ「アルバイト就業者調査(2023年)」p8をもとに作成

アルバイトの就業実態

年代別に勤務日数や月収・離職率等の平均を出したのが下図になります。
30〜50代は勤務日数・時間共にほかの年代と比べて多く、フルタイムに近い勤務を望んでいる人が多いと考えられます。

10代〜20代の若年層は勤務日数が少なめになっており、特に高校生・大学生は学生生活のスキマ時間を利用してアルバイトをしていることが背景にありそうです。


※ 引用)株式会社マイナビ「アルバイト就業者調査(2023年)」p5

年代別ユーザーインタビュー【求職者の本音】

10代〜60代の男女8名の求職者にご協力いただいたインタビュー調査では、データだけでは捉えきれない具体的な体験談や不安・困りごとなどを聞くことができました。

インタビュー概要

・調査対象者:10〜60代の男女。
       アルバイト経験がある・または現在お仕事を探している方

・実施日:  2023年3月23日(木)~5月9日(火)

・調査方法: オンライン調査

※インタビュー内容は個人情報保護の観点・記事構成のため一部加筆・修正しております。

大学生① 求人原稿に書いている条件が実際の条件と違うのは困る

大学2年生/10代男性/都内在住
インタビュー実施日:2023年4月26日(水)


― 現在お仕事は探していますか?
2週間ほど探していて、少し前までは飲食店やイベントなど単発のお仕事をしていました。

― お仕事探しを始めたきっかけは?
高校生の時にイタリアンレストランでアルバイトをしていたのですが、コロナ渦の影響でお店が閉店してしまったことがきっかけになります。働いていた場所に新しいお店ができてそこで働くことも可能でしたが、社員さんやスタッフが総入れ替えになってしまったので新しく探そうと思いました。

― アルバイトの決め手は何でしたか?
最初のアルバイト先は高校生の時だったので、飲食・販売に限られてました。求人サイトを見て、「高校生歓迎」と書いてあるものを見ていました。当時は相場感とかもわからなかったので特に希望がなかったですが、今はできればオシャレなところがいいなと思います。あとは家からの距離も大事ですね。

―お仕事探しで困ったことはありますか?
WEB関係のお仕事を探していた時に「未経験OK」って書いてあっても、実際は簡単なプログラミングの提出を求められたりしたので、本当に未経験でできる仕事なのか困惑しました。あとは研修中はサイトに載っている時給と違うということも面接で聞いたのですが、その情報は求人サイトには全然書いてなかったので面接に行った時にびっくりしましたね。

大学生② 面接結果が出るまでが不安。1週間がデッドライン

大学3年生/20代女性/都内在住
インタビュー実施日:2023年4月27日(木)

―今まではどんなお仕事をしていましたか?
高校2年生からアルバイトを始め、飲食店複数と塾の事務で4社経験があります。塾の事務に関しては自身に裁量があってやりがいがある一方業務量が多かったです。飲食店は1度経験があると他でも挑戦しやすいので今はカフェで働いています。

―お仕事探しで不安なことはありますか?
面接結果が出るまでが不安です。なので目安の合否の連絡期間が記載してあるといいなと思いました。1週間くらいで合否を出してくれる企業が多いので、1週間が自分の中でデッドラインだと思っています。もしそれ以上時間がかかりそうであれば他に応募しますね。
またせっかく応募しても、応募後企業から連絡が無いのは残念に思います。

―お仕事探しで重要視しているところはどんなところですか?
掛け持ちでできるアルバイトがあれば長期でも働きたいと思っています。重要視しているポイントは、好きな髪色やネイルにできるかどうかです。できればオシャレな所で働きたいなって思います。

職種は今までの経験を活かしたいので、飲食と事務系を探しています。
仕事を探すときは主に求人サイトとアプリを使っています。絞り込み機能を使って条件にあったもので検索することが多いです。

あとは人間関係が良いところが良いですね。求人のサイト上での判断になるため、「アットホーム」などの雰囲気が書いてあるか、サイトによっては職場の雰囲気を表すグラフなどもよく見ます。
去年から対面授業が増えてきて、週3日対面での授業があるので大学からのアクセスも大事ですね。

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フリーター① アルバイト先の決め手はスピード。連絡が遅いと選考に進まない

20代女性/首都圏在住
インタビュー実施日:2023年4月25日(火)


― 現在お仕事は探していますか?
2週間ほど探していたのですが、エステの受付の仕事に決まりました。
時給や地域、働く期間で色々見ていてこの仕事をたまたま見つけました。

― お仕事探しを始めたきっかけは?
直近まで海外で働いていました。また海外に戻って事業を立ち上げる予定ですが、準備のため一時帰国で日本に帰ってきました。せっかく時間もあるので日本でも働こうと思って短期で1ヶ月以内で働ける仕事を探していました。

― なぜ海外で働こうと思われたのですか?
新卒で日本の会社で働いていたのですが、日本は時間に厳しく、働いていて違和感がありました。
もともと子どもの頃から海外に旅行に行ったりしていたので、私にとっては海外に行くことは特別なことではなかったです。

― アルバイトの決め手は何でしたか?
日本にいる期間が決まっていたので、1ヶ月以内で働ける仕事かどうかが重要でした。勤務期間の前提があって、あとはスピードです。
私はすごくせっかちな性格なので、あまり待てません。連絡が一番早かったのでそこに決めました。
いくつか応募したのですが、応募から2日後に連絡が来る企業もありました。それだと私の感覚では遅いので選考に進まなかったです。

またネイルをしているので、そのままネイルが可能な仕事があるかも見ていましたね。
直近まで海外に住んでいたので、日本で働く感覚に馴染めるか不安でしたが、私の情報が伝わっていたので考慮していただけました。

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―お仕事探しで困ったことはありますか?
サイトには短期OKと記載してあっても、実際は3ヶ月の勤務を求められることがありました。記載してある内容が違うと困ります。働く期間を1番重要視していたのでその部分が違うと仕事探しをやり直さなくてはいけないので難しかったです。
実際に働いている人の声や、給与、働いている時間例などの記載があるとイメージが付きやすいなと思いました。

フリーター② アルバイト先の決め手は楽しそうだと思ったから

20代男性/都内在住
インタビュー実施日:2023年5月9日(火)


― 現在お仕事は探していますか?
絶賛仕事探し中です。アルバイトで探していますが、いくつかいいなと思える仕事が見つかりました。渋谷の洋食のレストランに応募して、これから選考予定です。

― お仕事探しを始めたきっかけは?
しばらく東京にいる予定なので、長期で週5日ガッツリ働ける仕事をしたいなと思ったからです。
これまで北海道〜沖縄まで様々な場所のリゾートバイトで、ホテルのレストランやキッチンやホールの仕事をしていました。色んな都道府県に旅行をするような感覚で働けます。
1か所で短期間働いて、休みの日はいろんなところに観光にいきました。交通補や滞在費、食費なども払ってもらえる登録制の会社だったので、休みの観光費ぐらいしかお金を使わなかったので効率よく貯金もできました。

― リゾートバイトを始めたきっかけは?
もともと地元の関西で警察官として働いていました。ただ仕事柄気軽に旅行に行ったり、管轄の都道府県から自由に移動ができないので、もっといろんなところに行ってみたいと思うようになりました。リゾートバイトは地方でも時給が高いイメージがあったのでその働き方を選択しました。

― 今応募しているお仕事の決め手は?
時給が良くて、お店の情報を見た時に楽しそうだなと思ったからです。
海外のお客様も来られるそうで英語でコミュニケーションが取れるようになったらいいなと思いました。英語は未経験ですが、新しいことにチャレンジしたいなと思ってます。
探している週5日のお仕事だと日給の案件もたくさんあったのですが、なんとなく日給=残業ありのイメージがあったので、時給で仕事を探していました。

―お仕事探しで困ったことはありますか?
リゾートバイトのお仕事は1回登録したら次々働く勤務先があったのですが、しばらくは東京にいる予定なので、東京で長期の仕事を探していますがなかなか勤務先が決まりません。色々なサイトを見たのですが、時給は高いけど夜のお仕事だったり、自分が働ける案件ではないものもあり、探すだけでも時間がかかりました。

主婦① 子どものことを考えると「距離と時間」が大事

30代女性/都内在住
インタビュー実施日:2023年3月23日(木)


― 現在お仕事は探していますか?
この前仕事が決まり、これから働き始めます。

― お仕事探しを始めたきっかけは?
子どもが2人いるのですが、下の子どもが小学生になって自分の時間が持てると思ったからです。
また、旦那さんにも「そろそろ働いたら?(笑)」と言われていたので今のタイミングかなと思いました。

― どんな職場を探していましたか?
できるだけ長く続けられる仕事がいいなと思っていました。
1人目の子どもを妊娠してから正社員で働いていた職場を退職したきり、ブランクが10年程になるので、スーパーのレジなど未経験でも始めやすそうな仕事をいろいろ考えました。最終的には未経験者でも取りやすい調剤薬局事務の資格を取りました。薬局はどこにでもあるので、長く働き続けられると思いました。

― どんな条件でお仕事を探していましたか?
やっぱり子どものことを考えたら「時間と距離」が大事ですね。
場所は家から自転車で10分圏内で探していました。勤務日数は平日週3日・1日5時間程度で考えています。
子どもは学童に通う予定なんですが、慣れるまでは子どものそばに居たいと思っています。

あとは未経験OKか主婦歓迎になっているかで見ています。

― どのような方法でお仕事を探していましたか?
やっぱり求人サイトで探すのが一番いいと思います。日中や夜のスキマ時間で探しますね。

ただ、家事や育児に忙しいので同時に何社も応募することはなく、1社に応募して結果が出るまで待ちます。
絶対に働かないといけないというわけでもなかったので、面接が通らなかったらしばらく探さなくなりますね。

―お仕事探しで困ったことはありますか?
せっかく応募したのに合否の連絡をもらえないことがありました。
「合格の場合は電話、不合格はSMSで連絡」と言われてずっと待っていたのに…。
会社に対して不信感につながりますよね。お店に行こうとも思わなくなりました。

あとは、「募集しているはずの時間に勤務できない」こともありました。
埋まってしまったようなのですが、希望の時間に入れないなら意味がないと思います。もし募集している時間が埋まったり、スタッフが充足しているのであれば、募集は取りやめにしてほしいのが正直な気持ちです。

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逆に決まった勤務先は応募後の連絡が早かったです。
夜に応募して翌日朝に本部から連絡があり、その後店舗からも直接連絡をもらいました。スムーズに選考に進みましたし、対応も丁寧で安心感がありました。
結局春から働く場所も本格的に探し始めてから、2週間で決まったんですよ。

主婦② 子どもが学校に行っている間はシフトの融通さが大事

50代女性/首都圏在住
インタビュー実施日:2023年4月25日(火)


― 現在お仕事は探していますか?
短期や単発で働ける仕事を探しています。メインのお仕事とは別に短期のお仕事を定期的に探しています。

― お仕事探しを始めたきっかけは?
子どもが2人いるのですが、娘が中学生になったタイミングで住宅展示場のお仕事を始めました。今はもう9年目なので繁忙期や閑散期などスケジュール感覚がわかっているため、空いている期間に別の仕事をしたいなと思うようになりました。

― 今までどんなお仕事をしてきましたか?
試験監督・制服の採寸・デパートの催事など様々なお仕事をしてきました。
派遣会社もいくつか登録していました。あまり距離はこだわらないので同じ首都圏内だったら交通費が支給されるなら行っていました。一度催事のお仕事をすると次の現場のお誘いとかもあるので探す手間が省けます。

―どんな条件でお仕事を探していましたか?
子どもが学校に行っていた頃はシフトの融通がきくことが大事でした。学校行事が入った時にシフト変更が可能かどうかは重視していました。学校の役員をしていたので、シフトに入れない曜日が結構ありましたね。

―最近の仕事探しは以前と比べてどうでしたか?
昔は新聞の広告や雑誌などから見ていたのですが、今はネットで何でも探せるので便利だと思います。この前オンライン面接をしたのですが、本当に便利だと感じました。初めはWEBで面接するのも不安だったのですが、何でも娘に聞いて設定してくれるので問題なかったです。わからないことは何でも娘に聞いていますね。

ミドルシニア① 生活のためではなく社会参加のためのアルバイト

60代女性/首都圏在住
インタビュー実施日:2023年4月25日(火)


― 現在お仕事は探していますか?
探しています。60歳手前で退職した職場は商社で外国語も少しできたため、今までやったことのない飲食やインバウンドの接客で楽しみながら働こうかなと思っていました。しかしコロナ渦であまり仕事ができなかったので、仕事のブランクが長く、きっちり働くことに対して抵抗感が出てきました。今は短期で色々やりながら楽しく働けたらいいなと思っています。

―どんな条件でお仕事を探していますか?
週に1〜2日働ければ満足です。他にも時間を使いたいのでそれぐらいで十分かなと思います。年金をもらえる歳になったので生活のためというよりは自分も社会に参加するという意味合いのほうが強いです。仕事がない日はボランティアに参加することもあります。

― どのような方法でお仕事を探していますか?
未経験の仕事や長時間勤務の仕事は体力面で心配なので、過去に経験のある採点の仕事や倉庫内ピッキング、イベントなどで近場でできる仕事を探します。
ネットで探して実際に面接に行ったら、自分と同じ年恰好の方から情報収集しています。
実際に働いている人からお仕事を聞いた上で、その内容を基にインターネットで求人を調べて行きますね。

―仕事探しで不安に思うことはありますか?
以前1つの仕事をクリックした時に、実際に内容を見てみると「色んな仕事を紹介できます」という広告に変わり、これは釣り広告だと感じる求人もありました。

あとは応募しても連絡が来ないことは仲間内ではよく話題に上がります。
また私のような年代の方は仕事の探し方が分からず、ボランティアに行く方が多いなと感じています。

―仕事探しでこうなったらいいなと思う事はありますか?
基本的には自分で条件を絞って探しているのですが、時々関係のないものをおすすめされたらちょっと見てみようという気持ちになります。同じような年齢でこういう仕事をしている人もいます!など紹介があればアルバイトという立場では気負わずにチャレンジできそうです。

ミドルシニア② 年齢ではなく本人のやる気や経験を見て判断してほしい

60代男性/首都圏在住
インタビュー実施日:2023年4月26日(水)

― 現在お仕事は探していますか?
直近まで短期でしていた選挙関連の仕事が終わったので、2週間ほど探しています。

― お仕事探しを始めたきっかけは?
定年まで働いていた企業をリタイアしたので、それを機に軽作業やイベント警備、試験監督など様々なお仕事をしています。今まで働いていた会社は某大手企業の企画営業でしたが、リタイア後は未経験で挑戦するお仕事が多いです。

― 定年後も働こうと思った理由は何ですか?
貯金はいくらあってもいいと思っていますが、お金ではなくやりがいを求めて働いています。イベント系のお仕事はみんなで協力してやる仕事なので、個人ワークではないところもいいなと思っています。また短期の仕事であっても連絡先を交換して新しい人との繋がりができるのも嬉しいですね。

― どのような方法でお仕事を探していますか?
有名な求人サイトも見ますが、中でもシニアに特化しているものを見ることが多いです。あとは派遣会社にも登録しています。週払いや日払いのお仕事が多いのでいいなと思っています。

―仕事探しで大変なことはありますか?
「シニアOK」「年齢不問」と書いてあったので、内容を信じて応募をしても年齢が原因なのか不採用になることが多いです。面と向かって年齢を理由に断られることはないですが、本音はそうなんだろうなと思って理由を聞くこともありません。

ただメールでお断りをされると冷たい印象を受けます。年齢で区切るのではなく、経験や本人のやる気を見て判断してほしいなと思います。

まとめ

今回の求職者インタビューを通して、データだけでは見えてこない求職者の本音を覗くことができました。
求職者の実際の意見から考えられる、採用担当者が特に意識すべき事項は主に以下の4つではないでしょうか。

・求人原稿に事実とは異なる情報を記載しない
・応募後、面接後の連絡はできる限り迅速に行う
・求職者が入社後をイメージできるような情報発信を行う
・採用ターゲットを明確にして「未経験歓迎」「主婦(夫)〈高校生・シニア〉歓迎」などを明記する

応募時・面接時に求職者へ不安や不信感を与えてしまうと、採用機会を逃すだけでなく、今後お客様になる可能性があった人の来店機会を失うことにもつながるので、注意が必要です。

本記事で紹介した求職者インタビューや株式会社マイナビが調査しているデータ等を活用し、採用活動にお役立てください。

記事公開日:2023年7月20日

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