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継続率10%アップ!応募数・継続率を高めた「応募者視点」の施策とは

目次  

導入
インタビュー先企業紹介
「月給制」と「週休2日」。応募を集めた「差別化」
継続率86%!仕事を教える前に「人間関係を作る」
まとめ

導入

株式会社マイナビが独自で調査したアルバイト採用活動に関する企業調査(2022年)の結果では、アルバイト人材の人手不足感は61.9%で前年の58.8%より増加傾向にあります。*1

さらに、「アルバイト人材が不足している」と回答した採用担当者を対象に採用活動における課題について調査したところ、「募集しても、必要な人数が集まらない」が74.1%、「採用しても、すぐに辞めてしまう」が53.0%になっていました。この2点について、回答者の半数以上が課題に感じているということになります。

引用)株式会社マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2022年) 」p.18

上記で挙げた採用課題に対して、企業ではどのように対策が行われているのでしょうか。
本記事では採用活動に携わっているご担当者様へのインタビューを通して、実際の企業で行われている施策についてご紹介します。

*1: 引用)株式会社マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2022年) 」p.6

インタビュー先企業紹介

株式会社オオケン 鍵本(かぎもと)様
ビル・病院の清掃部門の副部長としてクライアントとの折衝業務・トラブル対応にあたる傍ら、従業員の研修や採用活動にも携わる。中途採用・アルバイト・パートと、雇用形態に関わらず全範囲の従業員の入社対応を行っている。

「月給制」と「週休2日」。応募を集めた「差別化」

ー採用活動において、現在どのような課題がありますか?

鍵本様:
魅力的な求人を打ち出すことは現在も課題だと思っています。賃金が高水準と言える業界ではなく、特に病院は24時間365日稼働していて清掃スタッフの休みが少ないこともあり、応募がなかなか集まりませんでした。

ーその課題に対して、現在取り組まれていることはありますか?

鍵本様:
他社の求人との差別化を行うことですね。
他の清掃の求人はおそらく1日2〜3時間くらいが多いのですが、私たちは週5〜6日のフルタイムかつ正社員という雇用形態でも採用を行いました。フルタイムで勤務する方を採用したい場合は「月給制(正社員)の方が応募しやすくなるのではないか」と考え、昨年時給制のフルタイムパートから月給制にできるよう切り替えました。休みも週休2日になるように設定しています。

ー上記の条件で採用活動を行ってみて、現時点でどの程度効果がありましたか?

鍵本様:
昨年、病院清掃で60名程度募集した際にはかなり応募が来ました。
現時点で、その時採用した従業員がほぼ定着しているので、週休2日にしたことと、月給制にしたことに効果があったのではないかと見ています。

また、月給制にしたことで30〜40代の女性やシングルマザーの応募が増えた印象です。残業が少なく大体17時には帰れるので、安定した収入が得られるかつ家事に影響が出ないことが要因になったのではないかと思います。

継続率86%!仕事を教える前に「人間関係を作る」

ー先ほどのお話では求人掲載において「月給制」や「週休2日」といった条件を取り入れたということでしたが、採用後において工夫されていることはありますか?

鍵本様:
スタッフとの接触頻度を高めることを意識しています。
以前はスタッフが入社しても定着しないことが結構多いと感じていました。何が良くなかったのかと振り返ると、入社1日目に労働条件を渡して「明日からこことここをやってください」と事務的に伝えるだけだったのがいけなかったのかなと思いました。

そこで私が心がけるようになったのは「スタッフをよく知る」ということです。スタッフに孤立感を抱かせないことが定着に寄与するのではないかと思ったからです。

初日は労働条件を伝えたり研修を行ったりするのですが、仕事以外の話もしてスタッフの人柄や好きなことなどパーソナルな部分を知り、現場責任者にそれを伝えることで「現場での人間関係を作る」ということを促しています。
困ったときに相談すれば何とかしてくれそうと思ってもらえる存在になれるように心がけて接しています。

「どういう人なのか」「うちはどういう会社でどういうことをやっているのか」など、しっかりと話す時間を設け、仕事を覚えてもらうより先に「人と人との関係を作ること」に重きを置いています。

ー「スタッフを知る」ということを始めて、それ以前と比較して職場の雰囲気や定着率などに何か変化はありましたか?

鍵本様:
2019年から定着率を記録し始めたのですが、2019年では定着率が76%だったのが先ほど確認したところ86%でした。以前に比べたら数字としては改善できているのかなと思います。

雰囲気については「自分が入社するとしたらどうだろう」と考え、スタッフの心理的不安を取り除くことを心がけるようにしています。

最初は緊張したり「未経験の自分にできるのか」という不安があったりするでしょうから、「人と比べなくていいですよ」と必ず伝えています。
「他の人は早くできるのに私だけどうしてできないんだろう」とか「他の人に手伝ってもらって申し訳ない」と、引け目を感じることが退職理由の1つになっている可能性もあると思うんです。なので、「丁寧な清掃スタッフさんになってほしいから、最初はいくら時間がかかってもいいです」と声をかけています。

また、特に大人数の職場では人間関係を理由に退職する方も多いのではないかと思います。
「合う」「合わない」はあったとしても、それを理由に特定の人をいじめる等の行為は会社として許さないですよ、ということは最初から伝えるようにしています。

60人であたらないといけない仕事があるのに、人が辞めてしまって50人しかいないとなれば、お客様に十分なサービスが提供できません。一緒に働くスタッフを困らせて退職に追い込んでしまうようなことが起きないように、そこはしっかりと伝えています。

ー最後に、今後の採用活動について教えてください。

鍵本様:
中途採用と同時並行で新卒採用を毎年継続していきたいです。
中途採用のみだと、「年度で何名採用する」という計画が立てにくいという現状があるためです。またスタッフの年齢層が高いので、若い方の採用にチャレンジしていくことが必要だと思っています。

今年の3月末から使わせていただいている「Entry Pocket(エントリーポケット)」の使い勝手がすごく良いので、今後も採用ツールの1つとして利用していきたいです。

まとめ

求人情報の差別化と、スタッフを知るということ。
応募数・継続率アップを実現した2つの施策の根底には「こうしたら応募しやすくなるのではないか」「自分が入社するとしたらどうか」という、応募者視点に立った考えがありました。

「応募がなかなか集まらない」「入社してもすぐに辞めてしまう」とお悩みの方はぜひ「今、自社に応募/入社するとしたら」という視点で勤務条件や職場環境を見つめ直してみてください。

※本記事の内容は取材時(2023年5月時点)の情報です。

記事公開日:2023年9月25日

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