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【採用準備に迷わない】新規スタッフの受け入れ時にすべきこと

目次  

はじめに
入社書類・備品の準備と各種手続き

・(1)法律上必要な書類
・(2)働く条件や働き方によって必要な手続き、書類の準備
・(3)法律上決まりはないが、あった方が良い書類
・準備が必要な備品
・あわせて準備しておきたい!就業規則の作成
入社受け入れ~定着ですべきこと
・ポイント1 初出勤は歓迎し、安心できる雰囲気づくりを
・ポイント2 教育体制やマニュアルの整備
まとめ

はじめに

採用活動において、応募者対応から採用までと同等に採用後の受け入れ準備に工数がかかると感じる方も多いと思います。

新規スタッフが働き始めた時期に職場環境を適切に整えておくことは早期離職の防止に繋がるとともに、長期定着をしてもらう上で非常に重要なポイントとなります。

本記事では、新規スタッフの受け入れ準備において対応すべきことや注意するポイントについて解説いたします。
実際の採用担当者が実施した受け入れ時のノウハウもご紹介いたしますので、ぜひお役立てくださいませ。

入社書類・備品の準備と各種手続き

新規スタッフの受け入れにおいて、まず対応すべきことは「入社書類等の準備と各種手続き」です。
入社までに必要な書類や備品を用意しておくと手続きをスムーズに進めることができます。

事前に用意してもらう必要がある書類は入社日までに準備してもらうように声をかけておきましょう。

必要な書類は以下の3種類となります。

(1)法律上必要な書類
(2)働く条件や働き方によって必要な書類
(3)法律上決まりはないが、あった方が良い書類

(1)法律上必要な書類

マイナンバー、労働条件通知書など

雇用者は被雇用者と扶養家族のマイナンバーを記載した書類を税務署に提出する必要があります。マイナンバーは重要な個人情報なので、企業側の管理徹底が求められます。

労働条件通知書とは、企業から従業員へ交付する書面です。原則書面での交付が必須で必ず内容を明示し、相手の確認を取ることが必要です。
条件付きで電子交付(FAXまたは電子メール)も可能です。ただし、労働者が希望し、受信者を特定できる方法で送付する必要があります。

労働通知書のテンプレートはこちら
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/hourei_youshikishu/youshikishu_zenkoku.html 

※引用)東京労働局「様式集」

(2)働く条件や働き方によって必要な手続き、書類の準備

(1)は全員が提出する書類でしたが、(2)は新規スタッフの条件によって以下のように用意する書類が変わります。
そのため、事前に条件や希望を確認し、漏れのないよう準備が必要です。

シーンスタッフからの提出が必要な書類
入社年に別の会社に勤務していた実績がある場合源泉徴収票
年末調整をする場合扶養控除等申告書 
・雇用期間が31日以上
・週の所定労働時間が20時間以上
・学生ではない場合
マイナンバー、雇用保険被保険者番号(雇用保険の手続きが必要)
週の所定労働時間が正社員の4分の3以上かつ1ヵ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上である者
※ただし、上記の労働時間、労働日数以下であっても企業の従業員規模が101人以上の場合は例外あり。
マイナンバー、基礎年金番号(社会保険の手続きが必要)

(3)法律上決まりはないが、あった方が良い書類

雇用契約書、誓約書、給与振替口座の登録申請書、免許・資格を証明する書類、身元保証書、交通費・通勤経路などの申請書、住民票記載事項証書、健康診断書

これらの書類を用意する目的は以下の通りです。

雇用契約書労働条件に同意して契約を結んだという証拠を残すため。
※雇用契約書については、法律上必須の書類である労働条件通知書と兼ねることも可能。 
誓約書就業規則を守ることに同意してもらうため。
従業員とトラブルになった時に同意してもらっていることを根拠にトラブルへの対処ができる。
給与振替口座の登録申請書給与の振込先を確認するため。
指定口座を従業員が開設していない場合は、事前に開設してもらう必要がある。
免許、資格を証明する書類採用条件に必須資格等がある場合に必要。
身元保証書トラブルがあった場合の連絡先把握、企業に損失を与えた際の金銭保証、本人の人物像に問題がないかの証明とするため。
特に未成年を雇用する場合は、提出してもらうのがおすすめ。
交通費等の申請書交通費の支払いに活用。
ただし、給与条件に「交通費の支給」の記載がない場合は不要。
住民票記載事項証書住所地を確認するために必要。
ただし、行政指導により「本籍地の記載を求めないこと」と指導がされているため、本籍地の記載のない証書の提出を求めるようにする。
健康診断書持病の有無や健康状態等、勤務するにあたって問題がないか、また留意すべき点を把握するため。

マイナビの調査では、以下の割合で企業が(2)(3)の書類を用意しているということがわかりました。

参考)マイナビバイト「新規スタッフ受け入れ時に用意している書類」に関する調査結果(2023年4月実施)に基づき作成


上記の書類が必要なシーンや目的を確認し、いま一度必要となる書類を見直してみてください。

準備が必要な備品

制服、ロッカー、名札、タイムカード、PC、事務用品、デスクとイス等、新規スタッフの受け入れ時に必要な備品は業種・職種によって必須で用意が必要なものは異なります。
あらかじめ何が必要か洗い出しをしておきましょう。

また、業務連絡ツール(SNSグループ、その他勤怠連絡ツール)を事前に準備しておくと、働き始めの不安解消に繋がるとともに入社後の勤怠をスムーズに管理できます。
これらの手配には時間がかかる可能性があるため、余裕をもって準備しましょう。

あわせて準備しておきたい!就業規則の作成

労働基準法第89条では、職場で常に10人以上の従業員を雇用している会社は必ず「就業規則」を労働基準監督所長に届出することが定められています。
就業規則は従業員が安心して働くための、いわば会社のルールブックのような存在です。ぜひ作成しておきましょう。

就業規則には労働者が働く上で守るべき規則と労働条件について詳細を記載しましょう。
評価と昇進基準等も記載すると、従業員のモチベーション向上にも繋がります。

入社受け入れ~定着ですべきこと

書類関連の準備ができたら、職場の雰囲気作りなど新規スタッフの受け入れ体制を整えていきましょう。

マイナビの調査ではフリーター、大学生、主婦(夫)ともに早期離職理由に「職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった」や「働き始めたばかりの際、受け入れ体制やサポートが不十分だった」といった、職場の雰囲気や受け入れ体制の不十分さが上位に挙がっています。

順位/属性高校生大学生フリーター 主婦ミドルシニア・シニア
1位上司/先輩から理不尽な指摘や指導があった上司/先輩から理不尽な指摘や指導があった職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった
2位シフトや休みが希望通りにならないことが多かった上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった
3位職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった想定よりも仕事がきつかった想定よりも仕事がきつかった想定よりも仕事がきつかった
4位上司/同僚など職場の人間関係が合わなかった想定していた仕事内容ではなかった働き始めたばかりの際、受け入れ体制やサポートが不十分だった上司/先輩から理不尽な指摘や指導があった
5位働き始めたばかりの際、受け入れ体制やサポートが不十分だった職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった想定していた仕事内容ではなかった想定していた仕事内容ではなかった

引用)株式会社マイナビ「高校生の採用・定着に役立つ!高校生のアルバイト調査データ(2023年)」
株式会社マイナビ「大学生を採用するなら知っておきたいアルバイト調査データ(2023年版)」
株式会社マイナビ「フリーターの意識・就労実態調査(2022年)」p.5、23
株式会社マイナビ「子育てとアルバイトを両立する主婦の本音が分かる!主婦のアルバイト調査データ(2023年)」
株式会社マイナビ「ミドルシニア・シニア層の就業傾向がわかるアルバイト調査(2023年)」

この調査結果からも新規スタッフの受け入れ体制の整備は早期離職防止と長期定着に繋がるとわかります。

そこで、本章では入社から定着までのポイントを解説いたします。

ポイント1 初出勤は歓迎し、安心できる雰囲気づくりを

初めて会う人たちと、慣れていない場所。中には初めてアルバイトをするという方もいるでしょう。初出勤に緊張している新規スタッフは多いと思います。
そのような緊張感をほぐすためにも初出勤のスタッフを歓迎ムードで出迎え、新人スタッフの気持ちに寄り添った準備・対応を心がけましょう。
既存スタッフに新規スタッフの入社日や人柄、属性などを事前に周知しておくことも効果的です。

また、新規スタッフとは意識的にコミュニケーションを取ることで不安や悩みをキャッチし解消していきましょう。
時間が合わなければSNSの活用も有効です。スタッフに居場所があるということを感じ、安心してもらうことが大切です。

ポイント2 教育体制やマニュアルの整備

新規スタッフの初出勤を終え、次にすべきことは「新人教育」です。

マイナビの調査では新規スタッフの受け入れ時に、「研修時間の確保」や「マニュアルの作成」「教育担当者の選定」など、新人教育への注力に効果を感じたという結果が出ています。

参考)マイナビバイト「新規スタッフ受け入れ時に行い効果を感じた施策」に関する調査結果(2023年4月実施)に基づき作成

研修では教えるだけではなく、「どう思う?」と都度問いかけをしながらスタッフに答えを考えさせることが大切です。
新人スタッフへの指導時は「ベテランスタッフと同じシフトにする」「採用担当が業務を手伝う」「スタッフを増員する」など、教える側への配慮も行うようにしましょう。

また、既に実践をしている内容をマニュアル化することはミスや認識のズレ防止に繋がります。
画像や写真を用いると、初見のスタッフでも理解しやすくなるのでより効果的です。

まとめ

本記事では新規スタッフの受け入れ準備や入社後にすべきことについて解説いたしました。

時には既存スタッフの協力も仰ぎながら、新規スタッフが安心して入社でき、続けたいと思ってもらえる環境づくりを心がけてみてください。

採用準備から新規スタッフ入社までに必要なこと・書類をまとめたチェックリストはこちらからダウンロードできます。
本記事と併せてご活用ください。


<監修者プロフィール>

いちい経営事務所
代表 森島 大吾氏
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社会保険労務士、中小企業診断士。介護業界での10年以上の経験と社労士・診断士の知識を活かして、介護施設の事業計画作成・キャッシュフロー等の財務分析・採用定着支援を行いながら、「会社が抱える課題を一緒に解決する」をモットーに活躍中。


記事公開日:2023年9月19日

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