有効求人倍率が上昇し、採用活動の難易度は年々高くなっています。そんな厳しい採用市場で求職者に選ばれる企業になるためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。本記事ではマイナビバイトが実施しているアンケート結果をもとに、応募者対応スピードの重要性について解説します。
目次
人材採用の課題となる「面接率」
面接率が上がる応募後の対応スピード
・応募者は応募から3日以内の連絡を望んでいる
面接率を上げるために企業が行なった施策とは?
・面接率UPが期待できる解決策のご提案
採用率が上がる面接後の対応スピード
まとめ
人材採用の課題となる「面接率」
厳しい採用市場にさらに追い打ちをかける課題の1つが、面接率の低さです。マイナビバイトが行なった調査では「応募は来たけど面接に来なかった」という経験をしたことのある企業は36.3%(2022年)に上りました。最も面接辞退率が高かった業種(介護職)では、およそ4.5人に一人が面接を辞退している計算になります。*1
せっかく応募があっても面接ができなければ、採用にはつながりません。
面接率を上げ、採用を達成するためにはどのような取り組みを行えば良いのでしょうか。
*1:引用)マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023)」 p.25
面接率が上がる応募後の対応スピード
アルバイト探しを行う際に求職者が同時に応募している企業は平均2.2社、1社のみに応募した求職者は全体の30.6%となっています。*2
そのため応募後の対応が遅くなればなるほど、先に合否が出た他の企業へ入社してしまう可能性が高くなります。
面接率を上げるためには、応募後の対応をできるだけ早く行う意識が必要となります。
応募者は応募から3日以内の連絡を望んでいる
以下のグラフは、マイナビバイトが求職者に向けて行なったアンケートの結果を表しています。
「その会社の印象が良くなる応募後の連絡スピード」についての回答は「応募当日から3日以内」が大部分を占めています。
このことから応募完了後、3日以内の連絡を求める応募者が多いと判断してよいでしょう。
またマイナビバイトではより効果的に採用活動を進めるため、応募後2日以内の連絡を推奨しています。
※ 参考)マイナビバイト ユーザーアンケート調査(集計期間:2022年10~11月)
*2:引用)マイナビ「アルバイトに関するユーザー調査2021」p.28
面接率を上げるために企業が行なった施策とは?
以下はマイナビバイトが企業を対象に調査した「面接率UPに効果があった施策」についての結果をグラフにしたものです。*4
・面接時に交通費を支給した
・(WEB面接等の)遠隔面接、出張面接を行った
・応募者への連絡(電話/メール等)を丁寧に行うようにした
上記3つの取り組みは、実施した企業の70%以上が面接率UPに効果があったと感じていることが分かります。
※ 引用)マイナビ「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)」 p.53
面接率UPが期待できる解決策のご提案
・アルバイト採用期間であることを従業員に周知する
常時募集ではなく短期集中的に募集を行う場合は、特に従業員へ周知しておくことが大切となります。
電話応募を受けた際や、応募者からの質問を受けた際に素早く採用担当者へ伝達できるようにあらかじめ情報共有をしておきましょう。
・コールセンターの活用
応募受付を代行してくれるコールセンターの導入は店舗の負担を軽減できるだけでなく、応募者へのスピーディーな対応に繋がります。
過去にマイナビバイトで掲載をしていた企業(飲食業)の事例では、コールセンターを導入したことにより、以下のような課題解決につながりました。
【導入前の課題】
・応募者と連絡が取れないことが多い
・面接日を決めたにもかかわらず、面接に来ない
【導入後の改善点】
・応募者へスピーディな対応ができるようになり、連絡が取れる割合が上がった
・連絡がつながった場合は、ほとんどの方が面接にきてくれるようになった
・応募受付をコールセンターで行うことで現場の工数削減になった
・SMSの活用
電話やメールで応募者と連絡を取り合う際、「知らない番号だから出ない」「メールアプリを開く習慣がない」などの理由で応募者と連絡が取れなくなるケースが少なくありません。
その場合にはチャット形式で気軽に使えるSMS(ショートメッセージ)の活用が効果的と言われています。
マイナビバイトで掲載をしていた企業(警備会社)の事例では、SMSを導入したことにより以下のような効果がありました。
【導入前の課題】
・応募者からメール返信もなく、電話もつながらない
・何度も連絡し直す必要があり、対応に時間がかかる
【導入後の改善】
・特に若年層の応募者へ連絡が取りやすくなった
・面接日もあらかじめ選択してもらうなどの工夫も相まって、対応時間の削減につながり、 面接到達率も向上
・応募者の気持ちに寄り添った丁寧な連絡
「面接前日に開始時間や面接地・持ち物などをリマインドする」「面接地までのルートを伝える」「面接の流れを事前に共有する」「面接でする質問を事前に共有する」など応募者の気持ちや立場に寄り添った連絡を行うと良いでしょう。
採用率が上がる面接後の対応スピード
・応募者は面接から3日以内の連絡を望んでいる
面接前の連絡と同様、面接当日から3日以内の採否連絡を求めている求職者が多いことが分かります。
前述の通り、求職者は平均2.2社に応募しているため採否連絡を待つ間に他の企業に決めてしまう可能性があります。
「不採用だったらすぐに他の企業に応募したい」と考える応募者も少なくないため、できるだけ早めの連絡を心がけましょう。
また面接時に「〇日までにご連絡します」など具体的なスケジュールを提示しておくことも効果的です。
※ 参考)マイナビバイト ユーザーアンケート調査(集計期間:2022年10~11月)
まとめ
今回は応募者対応をできる限りスピーディーに行うことの重要性について解説しました。
求職者は応募後・面接後ともに3日以内の連絡を求めています。(マイナビバイトは2日以内に連絡することを推奨しています。)
求職者の立場や気持ちに寄り添った対応を心がけましょう。
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記事公開日:2023年7月20日